初監督映画『最愛の大地』アンジェリーナ・ジョリーの社会貢献とは!?

DVD『最愛の大地』


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アンジェリーナ・ジョリー初監督作品『最愛の大地』にかけた彼女の人道支援の気持ち。それを知る手立てとして、2013年来日の際、東京都にある国連大学で行ったスピーチを紹介します♪

2013年7月、アンジー来日

恒例ですが、以下、アンジェリーナ・ジョリーのことは敬称なしの「アンジー」と、そしてブラッド・ピットについても同様に敬称なしの「ブラピ」と記します。
 
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アンジー一家は2013年7月に来日しました。今回の来日はブラピ主演映画『ワールド・ウォー・Z』(2013年8月10日日本公開)プレミアに同行することが主目的です。子供たちもいっしょに来日です♪
 
しかし、普段から活動的なアンジーですから、ブラピ映画のプレミアだけで終わるハズがありません。
 
7月29日には東京都渋谷区にある国連大学でアンジーの初監督映画『最愛の大地』の試写会が行われました。その会にアンジーが登壇し約6分間のスピーチをしたのです。
 
つまり、アンジーは自身初監督作品『最愛の大地』をプロモーションしながらも、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)特使としての仕事もしっかり行ったわけです。
 
さすが、アンジーの行動力に脱帽です。
 
【2013年7月来日したアンジー一家】
来日時のアンジー一家
[fontsize size=”1″](2013年7月30日付、ELLE ONLINEから転載。)[/fontsize]

初監督作品『最愛の大地』について

『最愛の大地』は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を背景とした、恋愛映画です。
 
アンジーは映画『トゥームレイダー』の撮影でカンボジアを訪れ、内戦による難民の実態を目の当たりにして、社会貢献活動に目覚めました。
 
『トゥームレイダー』の撮影がほぼ終わった2001年2月を皮切りに、約1年間のなかで、のべ44日間をかけて、UNHCR職員に同行する形でアフリカ、カンボジア、パキスタン、エクアドルの難民地域を訪れています。パキスタン訪問から帰国してすぐ、2001年8月にはUNHCR親善大使に任命。その後の活動が評価され、2012年4月にはUNHCR特使に任命されています。
 
そのような経緯を重ねたなか、アンジーは『最愛の大地』の着想を得て、脚本のゲラを執筆。『ツーリスト』(2010年12月公開)撮影終了後には、それを映画製作者グレアム・キングに見せています。そして、脚本を読んだグレアム・キングは「内容に圧倒された」と語っています。
 
つまり、難民の状況をしっかり認識したアンジーが何年もかけて暖めてきた物語&脚本。そして自ら監督&制作も兼ねて臨んだ作品が『最愛の大地』だったのです。
 
アンジーは映画界の大作がハリウッド一辺倒であることを考慮し、難民状況の悲惨さを訴える作品『最愛の大地』においては、現地の人々のなかから力のあるスタッフやキャストを登用すると決め、実際にそうしました。
 
冒頭にアンジーのコメントもある『最愛の大地』予告編はこちらです。
 
なお、『最愛の大地』については、【ネタバレ】記事を早々に書く予定ですので、詳細はそのときに…。【ネタバレ】記事を書きましたら、ここにリンクを貼ります。
 

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争とは

1991年のユーゴスラビア解体の動きのなかで、ボスニア・ヘルツェゴビナは1992年3月に独立を宣言。当時、ボスニア・ヘルツェゴビナには430万人の人口がありましたが「44%がムスリム人、33%がセルビア人、17%がクロアチア人、そしてその他6%」という構成でした。
 
このうち、ムスリム人とクロアチア人が独立推進派だったのに対し、セルビア人は彼らとは分離独立を目指したため、「ムスリム人&クロアチア人」vs「セルビア人」という対立が激化、なんと独立宣言の翌月には軍事衝突が起きてしまうのです。
 
その壮絶な戦いは1995年12月14日に終結するまでおよそ3年半、昨日までの隣人が敵味方に分かれ戦うという事態が続いたのです。映画『最愛の大地』に描かれているように恋人同士が紛争を機に敵味方になってしまうということもあったわけです。
 
この3年半の全土での戦いで死者は全人口の5%ほどにあたる20万人、難民・避難民においては全人口の半分の200万人という規模にまで悲惨な状況が拡大していたのです。
 
さらに、この戦いのなかではムスリム人に対するレイプや強制出産など最悪な性暴力が行われてきました。
 
この悲惨な紛争は、1995年にNATOが大規模空爆を行うなど参戦し、同年10月13日に停戦が実現、そして、同年12月14日に終結に至りました。
 
映画『最愛の大地』で現地採用されたスタッフやキャストたちは全員がこの紛争を経験した人たちです。

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国連大学での『最愛の大地』試写会でのアンジースピーチ

以下のアンジーのスピーチをより理解していただくために、映画『最愛の大地』の概略紹介と、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争について簡単に説明させていただきました。
 
それでは、お待たせ致しました。
 
2013年7月29日、東京都渋谷区にある国連大学で行われた『最愛の大地』の試写会、そこで登壇したアンジーのスピーチ全文をご紹介させていただきます。
 
なお、このスピーチはDVD『最愛の大地』の特典映像として収納されている約6分間のものを引用させていただきました。引用のうち(  )で書かれている部分については、サイト管理人「シネマファン♪」が付加した注記です。
 

(ちゃんと)言えるかしら。
(日本語で)みなさんこんにちは。
 
(以下、スピーチは英語です)この美しい街で、ご一緒できて光栄です。
 
岸田外務大臣(当時)の「女性の権利とジェンダー問題への意思表明」、そして緒方さん(第8代国際連合難民高等弁務官)の「お言葉と国連への貢献」に感謝します。
 
(そして、会場にいらっしゃる)皆さんに御礼を申し上げます。(会場に)学生の方が多いのは嬉しいですね。
 
今の世の中は、貧困、不当行為、戦争など多くの問題を抱え、傷ついています。しかし若い人々の可能性は無限大です。過去の世代を苦しめていた問題も克服するチャンスがあります。
 
(映画『最愛の大地』の背景となっている)ボスニアの紛争は私が17歳の時に起き、欧州の中心で、攻撃や虐殺により何十万人が亡くなりました。
 
性暴力は民族浄化のために積極的に利用され、NATOが介入して終結するのに3年半(1992年4月1日〜1995年12月14日)もかかったのです。
 
私がこの映画を作ったのは紛争について理解するためでした。今も(紛争時同様に)苦しんでいる人々がいます。それまで一緒に暮らしていた友人や隣人も急に敵になり得るのです。戦争は人々を変貌させ、残虐な行為へと追い込みます。
 
多くの人がすべてを失い、あらゆるトラウマや暴力に苦しみ、国際社会にも見捨てられ、声を上げても背を向けられています。映画を通して、これらの点を追求しました。でも、ドキュメンタリーではなく芸術であり、目的は「非難すること」ではなく「理解すること」なのです。
 
人間の有様を映し出しました。人によってとらえ方は違うでしょう。自由に、ご自身の結論に至ってください。でもどう感じるにせよ、この問題を深く考えてみてください。
 
英国外相、ウィリアム・ヘーグが『最愛の大地』を観たと聞き、光栄に思いました。ぜひ協力したいと申し出てくれたのです。そして今から14ヶ月前、ロンドンで性暴力撲滅を目指す取組が始まりました。
 
またコンゴ民主共和国やG8国連安全保障理事会でも、運動を広めてきました。
  
すばらしい人々や団体の協力により、被害者の更生を守り、国の責任も追及しています。
 
紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表であるザイナブ・バングーラ氏による成果も多大です。
 
今年(2013年)の4月にG8は、ともに協力して紛争下での性暴力をなくすという約束を交わしました。日本はこの合意で重要な役割を果たしました。先月、安全保障理事会も性暴力の根絶に向け、新たな決議を採択しました。
 
しかし、これはまだ始まりです。我々の目標は不処罰を撲滅すること、(つまり)紛争で性暴力が用いられている悪循環を断ち切ることなのです。
 
(性暴力があることは)昔はボスニア、今はコンゴやシリアの現実です。これ(性暴力の根絶)は膨大な課題であり、各方面の努力が求められます。政府や国連を含め、地域や家庭も含まれます。皆さんも、です。
 
(性暴力の根絶は)不可能ではありません。我々の世代で達成できる目標なのです。
 
この映画(『最愛の大地』)を取り始めたとき、せめて被害者の声を伝えられたらと思っていました。しかし、今はこうして監督かつ活動家として、日々、拡大している世界的な運動に携わっています。
 
映画で描かれている計り知れない苦悩は、現状のほんの一部でしかありません。問題の規模は大きいものの、我々に与えられている機会や勢いは、集結すればかつてないほど巨大なのです。
 
だから悲劇の繰り返しを阻止しましょう。過去は変えられませんが、未来はまだ定まっていません。皆さん次第なのです。
 
今日は、お越しいただき心より感謝いたします。
 
(会場、拍手のなかアンジェリーナ・ジョリーは舞台を降ります)
 
[fontsize size=”1″](DVD『最愛の大地』特典映像から引用)[/fontsize]

まとめ

今回は初監督作品『最愛の大地』の日本における試写会(国連大学で実施)において、登壇したアンジーのスピーチを紹介させていただきました。
 
あえて、スピーチに関する感想の類いは載せません。アンジーがスピーチのなかで語っているように、これをお読みになったみなさんがそれぞれにいろいろな感じ方をしていただければと思います。
 
私たちはアンジーがスピーチの最後に口にした言葉をかみしめたいと思います。

  • 悲劇の繰り返しを阻止しましょう。過去は変えられませんが、未来はまだ定まっていません。皆さん次第なのです。
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    いつもお読みいただきありがとうございます。
    シネマファン♪


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