アンジェリーナ・ジョリーの人生と重なる映画『すべては愛のために』について♪


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アンジェリーナ・ジョリーは私生活で実際に人道支援活動をし、難民各地をまわっています。そんな彼女の行動だけでなく、その愛の在り方もオーバーラップする作品、それが映画『すべては愛のために』なのです。

『すべては愛のために』はどんな映画!?

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難民地域のキャンプで医者として働く男と、人道支援に目覚めた女のロマンス。しかし、そこには単なるラブロマンスではなく、悲惨な難民キャンプの実態が描き出されています。この映画を見た者は、ラストシーンとともに、難民キャンプの過酷さ、難民救済実態の深刻さを記憶に刻むことになります。
 
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以下、アンジェリーナ・ジョリーのことは、敬称なしの「アンジー」と記します。

作品のミニ情報♪

  • 原  題:Beyond Borders
  • 監  督:マーティン・キャンベル
  • 脚  本:カスビアン・トレドウェル=オーウェン
  • 主  演:アンジェリーナ・ジョリー
  • 共  演:クライヴ・オーウェン、ライナス・ローチほか
  • 公  開:2003年12月(日本)
  • 上映時間:127分
  • 興行収入:12百万ドル
  • 見 放 題;Netflix✖️、Amazon✖️
[fontsize size=”1″](※「見放題」は、記事公開日現在情報です。)[/fontsize]  
 
この作品、全動画配信サービスを調べ尽くしたわけではありませんが、どこにも扱いは「ない」ようです。なので、見るためにはDVD購入(中古がお薦め!)しか手がなさそう…。
 
で、DVD購入してでも、ぜひ見ていただきたいアンジー作品です。それは、この映画『すべては愛のために』がアンジーの人生とオーバーラップする作品だからです。
 
アンジー大好きな方には、この作品で、より一層、アンジーを理解できると確信しています♪

あらすじ(ネタバレあり!)
ロンドンのとあるところで、難民救済支援のためのパーティが催されています。主催者はサラ(アンジー)の夫・ヘンリー(ライナス・ローチ)です。そこへ男がエチオピア孤児らしき子供を連れて乱入し、難民キャンプの窮状を訴えます。その様を目の当たりにしたサラは、突如、人道支援に目覚めてしまうのです。
 
なんとサラは、夫と息子を置いて、エチオピアの難民キャンプに向かいます。そこで見た難民キャンプの実態にサラは衝撃を受けます。そして難民キャンプを指揮するひとりで医師のニック(クライヴ・オーヴェン)に出会います。彼こそが、夫主催の難民救済パーティーに乗り込んできた男だったのです。
 
その後、ニックがカンボジアの難民キャンプで働いていることを知ります。そのころ、サラは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の職員として、ロンドンで働いていました。しかし、またしても、夫と息子を置いて難民キャンプ・カンボジアに向かうのです。サラとニックはカンボジアで結ばれ、絆を確かめ合います。
 
ロンドンに帰国して時は経ち…。サラには息子だけでなく、娘もできました。2人を含めた家族たちが母サラの誕生日を祝います。
 
そんな折り、ニックから手紙が届き、その文面から「ニックのただならぬ状況」を感じ取ったサラは、恐らく囚われの身になっているであろうニックを探しに、紛争の地、チェチェンに向かうのです。

肝心要のラストシーンは、ぜひ、ご自分でご覧いただきたいです。そして、それぞれにいろいろなことを感じ取っていただければと思います。

アンジーの人生にオーバーラップする作品

すでにこのサイトで何回も書いているように、アンジーは2001年公開の映画『トゥームレイダー』でロケ地カンボジアを訪れてから、激変します。このあたりの詳細については、次の記事をご覧ください♪

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アンジーが映画『すべては愛のために』の脚本を読んだのは撮影に入る2年前。つまり、2001年頃にはそのための役作りを意識していたのです。映画『トゥームレイダー』の撮影が終了したのが2001年はじめ。そして、『トゥームレイダー』の撮影地カンボジアで目の当たりにした難民の実態に衝撃を受けたアンジーは、2001年2月には、アフリカの難民キャンプを訪問しているのです。
 
カンボジアでの体験、そして、映画『すべては愛のために』の役作りなど、さまざまなことが、アンジーに性急とも言える大胆な行動を取らせたのかもしれません。このあたりのアンジーの動きは、映画『すべては愛のために』のサラが突如、人道支援に目覚め、そして、行動し、エチオピア難民キャンプに向かうこととオーバーラップします。
 
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アンジーは、エチオピアを訪れた2001年には、立て続けにカンボジア、パキスタン、エクアドルの難民キャンプを訪問します。いずれも、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員と同行する形で…。同行といっても、自分の費用はすべて自分持ち。そして、どんな危険なところへも行ったのです。
 
このあたりのアンジーの現実も、映画『すべては愛のために』のなかで、エチオピア、カンボジア、そして、チェチェンと難民各地へ躊躇なく向かうサラとオーバーラップします。劇中、サラはUNHCRの職員ですしね。
 
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サラというキャラクターは、思い込んだら誰に何を言われようがブレることなく行動します。一貫しています。彼女に「常識・非常識」という視点はないのです。ただあるのは信念。そのあたりは、まさに私たちが知るところのアンジーそのものではないでしょうか。
 
さらに言うと…アンジーの行動の原動力には「愛」があることも、サラと完全にオーバーラップするのです。
 

DVD特典映像が素敵すぎる♪

サイト管理人「シネマファン♪」(以下、「私」と記します)は、中古DVDをAmaznでゲットして、この作品を観ました。
 
たまたま、購入したDVDには特典映像があり、これがなかなかいいんです。内容は次の通り♪

  • 「すべては愛のために」制作秘話 Part1
  • 「すべては愛のために」制作秘話 Part2
  • 国境を越えた脚本家
  • アンジェリーナ・ジョリー UNHCR親善大使レポート
  • その他、予告編など

撮影ロケ地について

メイキングでは、映画の舞台となっている難民地域、エチオピア、カンボジア、チェチェンがそれぞれどこで撮影されたのかが明らかになっています。ネタバレしちゃいます。
 
エチオピアシーンの撮影は、アフリカのなかでも比較的豊かだと言われているナミビアで行われました。砂漠に壮大な難民キャンプセットを敷設して撮影されました。ナミビアといえば、アンジーが、最初の実子、シャイロを出産する地として選んだところです。
 
カンボジアシーンの撮影は、国境を接するタイで行われました。ここでも、力を入れて難民キャンプを再現しています。
 
そして、チェチェンシーンの撮影は、カナダで行われました。チェチェンの凄惨な町中をカナダで再現したのです。
 
これらの難民キャンプのロケ地を再現するだけでも、莫大な資金が必要なことは素人目にもわかります。しかし、映画『すべては愛のために』の制作費は35百万ドルとかなり少なめ。しかも、各地の地元民にお願いしているとはいえ相当数のエキストラを使っています。
 
もしかして、アンジーなどは出演料を寄附しているんじゃないかと思うくらいですが、実体はどうなのかわかりません…。

難民救済現場のジレンマ

この映画『すべては愛のために』の脚本家はカスピアン・トレドウェル=オーウェン。彼が特典映像のなかで、語っています。
 
彼は脚本を書くにあたり、2年間かけて、実際に難民キャンプの現場で働く人たちにインタビューをしました。そのなかで彼が一番感じたことは、現場では「プロとしての立場」と「いち個人としての立場」でのジレンマがあるというのです。映画のなかではそれが各所でうまく描かれています。
 
医師ニックはプロとして目の前の人たちの命を救いながらも、主に資金的な面から十分な救援・救済体制が摂れていない現状を変えるために、CIAと手を結んで裏金を手にします。
 
あるいは、難民キャンプのスタッフが目の前の職務に傾注しながらも、ホンネでポロッと「国に帰りたい」という冗談を口にします。などなど…。
 
つまり、難民キャンプで働く人たちは「時には過ちを犯すごく普通の人間である」という描き方をしています。そして、何があっても彼ら彼女らの姿は崇高だということも描いています。リアルです。とってもリアルで心を打たれます。
 
私には、常に命の危険があるそんな地に赴くなど想像もできないことです…。だからこそ、そういう場を間接的にでも体験させてくれる作品にしてくれた脚本家カスピアン氏に感謝です。

アンジーの難民キャンプレポート

特典映像の目玉はこれですね。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)親善大使・アンジーの言葉を引用します。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、第二次大戦後、難民保護のために設立されました。残念ながら、恒久的組織ではないので、数年毎に査定があるの。でも、状況は簡単に変わらないわ。戦争や迫害のある限り、難民がいなくなることはないわ。
 
UNHCRは、世界120カ国に設けられているの。私もスタッフと共に、徹底的に闘う覚悟よ。互いに助け合い、世界から戦争や飢えをなくすために、誰にでもできることはあるの。だから、私も自分にできることを続けるわ。
 
[fontsize size=”1″]※映画『すべては愛のために』DVDの特典映像から引用[/fontsize]

 
アンジーの行動が単なる思いつきレベルのことではないことは、現地のUNHCR代表がこう語っています。ジャハンシャ・アッサーディUNHCRタイ・カンボジア・ラオス・ベトナム地域代表です。

彼女がキャンプを訪ねてくれたことで、特に若い世代の意識が変わるだろう。彼女を通して難民の実態を知ってほしい。難民にまつわる話の多くは事実と異なる。彼女はそれらを正し、事実を伝える手助けをしてくれているんだ。
 
[fontsize size=”1″]※映画『すべては愛のために』DVDの特典映像から引用[/fontsize]

 
そして、もう一度、アンジーの言葉に耳を傾けましょう。

最初にキャンプを訪ねてロスに戻ったとき、周りはみな、私がおかしくなったと思ったみたい。確かに私は変わったわ。自分の恵まれた環境に感謝するようになったわ。文句なんて言ってられない。もっと大変な人は大勢いるんだもの。
 
これまでに出会った難民たちは、私の人生を変え、強さと不屈の精神を教えてくれた。彼らは家族で力を合わせて、辛い状況でも、たくましく生き抜いているの。人生について多くを学んだわ。
 
私が特別だったわけじゃない。キャンプを訪ねて、実際に彼らに会えば、誰もが何かを始めずにいられないはずよ。
 
[fontsize size=”1″]※映画『すべては愛のために』DVDの特典映像から引用[/fontsize]

 
う〜ん、信念のある人の言葉は染み入ります。

当初のキャスティングは…

これも特典映像のなかで明かされたことです。
 
映画『すべては愛のために』の当初のキャスティングは、ケビン・コスナーと、キャサリン・ゼタ=ジョーンズだったのです。
 
で、映画のキャスティングは当初計画通りにいかないのがフツーです。いろいろあって、ニック医師はクライヴ・オーウェンが演じることに。
 
そして、サラはキャサリン・ゼタ=ジョーンズのあとは、メグ・ライアンという案もあったんだそうです。これもいろいろあって、最終的にはアンジーに落ち着いたというわけです。
 
映画『トゥームレイダー』がアンジーの人生を180度変えたことは間違いないですが、この映画『すべては愛のために』も、同様にアンジーの新しい人生を強く後押しした作品であることに間違いありません。
 
もし、キャサリンやメグがサラを演じていたとしたら…今のアンジーはいないかもしれませんね。

採算と評価の実態

さて、ここまで映画『すべては愛のために』の「明」な部分を書いてきました。ここからは、「暗」の部分です。アンジーファンとしては辛いことですが、映画『すべては愛のために』の評価の実態ということでお伝えしましょう。
 
まず酷評実態の前に、そうそうたるアンジー応援団の数々を…。

2003年10月、ニューヨークで行われた『すべては愛のために』のワールドプレミアムでのこと。
 
アンジーは、ジョニー・リー・ミラーにエスコートされ、柄パーティーまで出席。UNHCRへ10万ドルを寄付するパーティーだったため、コフィー・アナン国連事務総長とルード・ルベルズ国連難民高等弁務官も姿を見せていた。これに先駆けて、数日前には、上院議員のエドワード・ケネディとウィリアム・フリストが、難民問題についてのパネルディスカッションをワシントンで主催。ニューヨークでは、コフィー・アナンが、今回の映画を熱心に紹介してくれていた。
 
[fontsize size=”1″]※アンジー伝記『暴かれた秘密』(アンドリュー・モートン著)P292から引用[/fontsize]

 
驚くほどそうそうたる応援団です。しかし、この映画『すべては愛のために』は公開難民になってしまったのです。そして、記者たちがタイトルをもてあそぶ事態に。
 

  • すべては裏切りのために
  • すべては平凡のために
  • すべては退屈のために
  • すべては償いのために
などなど。
 
興行収入がひとつの映画作品の評価だとすると、散々な結果に終わってしまいました。
 
この映画『すべては愛のために』のアメリカでの興行収入は2百万ドル。イギリスに至っては配給会社が見つからず。全世界トータルの興行収入でも12百万ドルに届かずという状況に陥ったのです。ちなみに、制作費は35百万ドル。
 
評論家ジョージ・トーマスはこうコメントしています。

人道的な問題に対するジョリーの個人的な興味の深さが実によく表れている。
 
だが、彼女は仕事と個人的な活動を混同すべきではない、ということも如実に表れている。
 
[fontsize size=”1″]※アンジー伝記『暴かれた秘密』(アンドリュー・モートン著)P293から引用[/fontsize]

 
実は、この映画『すべては愛のために』のワールドプレミアが行われた2003年10月に、アンジーの『思いは国境を越えて』(アンジー著)が出版されたのですが、これについても、映画『すべては愛のために』と同様の酷評が浴びせられたのです。

  • この本は、大金持ちの映画スターのフィルターを通して、貧困にあえぐ発展途上国を眺め、説明した旅行記にすぎない。
どうやら、「難民救済問題はエンタメのテーマとしてはふさわしくない」との評価がなされてしまったのかもしれません。事実、興行成績は散々でしたから。
 
アンジーが有名であるが故の酷評もあるのでしょう。しかし、どういう酷評がなされてもブレずに人道支援を継続していくことこそが、確実なる成果に結びつくのだ、サイト管理人の私はそう信じています。
 
2017年、Netflixオリジナルで、カンボジア内戦を扱った映画がアンジー監督で制作され、世界同時配信されました。これなども通常の配給ルートでは採算に乗らない作品でしょう。
 
でも、そういう社会的に意味がある作品に巨額の資金を投入するNetflixのようなエンタメ企業の在り方も、今後、ひとつの方向性〜エンタメと人道支援の融合〜を示しているのではと、私は感じています。
 
人道支援、特に難民救済実態については、「世間が実態を知らなさすぎる」ということが大きな問題のひとつです。なので、その実態を広めること自体に意味があるのです。
 
アンジー監督のNetflixオリジナル作品については、こちらの記事もご覧ください♪

まとめ

当初、この映画『すべては愛のために』を見る前、なんだとっても辛そうな内容の作品に、ちょっと腰が引けていたのです。そして、見はじめると、やはり凄惨なシーンが続く…。
 
しかし、すべてを見終わった今は、この作品に対する酷評を知った上でも、出会えて良かったと思っています。あの衝撃的なラスト直前のシーン、そして、愛を感じるラストシーンに、胸が痛み、そして、胸がキュンとします。
 
重ねて書きますが、アンジーファンなら、アンジーを一層理解するためにも、お薦めの作品です。興行採算的には失敗作になってしまったのですが、アンジー出演作のなかでは、素敵な作品のひとつだと確信しています。
 
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いつも、読んでいただきありがとうございます。
シネマファン♪
 


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