アンジェリーナ・ジョリーが監督映画『最初に父が殺された』に賭けた想いは…

カンボジア


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2017年9月15日、アンジェリーナ・ジョリーの監督4作目『最初に父が殺された』がNetflixオリジナル映画として、全世界同時配信スタートしました。

[fontsize size=”1″]以下、本記事においての大部分において、アンジェリーナ・ジョリーを敬称なしの「アンジー」と記します。[/fontsize]  

『最初に父が殺された』はどんな映画なの!?

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この映画『最初に父が殺された』を1行で紹介すると…
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  • カンボジア弾圧の時代を生き抜いた女性の回顧録をアンジーが映画化!
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作品ミニ情報♪

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  • 原   題:First They Killed My Father
  • 監   督:アンジェリーナ・ジョリー
  • 脚   本:アンジェリーナ・ジョリー&ルオン・ウン
  • 原   作:ルオン・ウン
  • 製   作:アンジェリーナ・ジョリーほか
  • 製作総指揮:ルオン・ウン、マドックス・ジョリー=ピットほか
  • 公   開:2017年9月15日(Netflix世界同時配信)
  • 上   映:136分
  • 見 放 題;Netflix⭕️
  • そ の 他:Netflixオリジナル映画
[/su_list] [fontsize size=”1″](※「見放題」は、記事公開日現在情報です。)[/fontsize]  

ミニあらすじ
東西冷戦の影響もあり、ベトナム戦争余波で、カンボジアはアメリカの空爆を受け大混乱に陥ります。当然のように反米組織が台頭、それはポル・ポト率いるクメール・ルージュ。ポル・ポトがカンボジアの実権を握ると、クメール・ルージュによる壮絶な弾圧時代のはじまりです。この物語は、その弾圧を生き抜いた少女目線で描かれています。
 
主人公の少女ルオンの一家は首都プノンペンで幸せな日々を送っていました。しかし、突然にクメール・ルージュによって家からの退去を命じられ、郊外のキャンプ地に集められ強制労働をさせられます。壊れていく家族たち。そして、父が殺されます…。

『最初に父が殺された』製作者アンジーの関わり

アンジーがこの映画『最初に父が殺された』を製作するにあたり、関係者とどのように関わってきたかについて、2人の人物に登場してもらい、そして、ポイント3つを書きます。
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  • 原作者ルオン・ウンとの出遭いと親交
  • 脚本ドラフトの完成と映画化への後押し
  • 映画製作における力強い協力者たち
[/su_list] 2人の人物とは、原作社ルオン・ウン、そして、アンジーの長男マドックスです。

原作者ルオン・ウンとの出遭いと親交

アンジーが原作者ルオン・ウンと出遭うことがなければ、この映画『最初に父は殺された』は日の目を見ることはありませんでした。
 
そして、その邂逅の遠因はやはり映画『トゥームレイダー』だったのです。『トゥームレイダー』の撮影でロケ地・カンボジアを訪れたアンジーは、その地が抱えている深刻な問題を目の当たりにして愕然とします。
 
内戦と圧政はようやく終わったものの、それらが人々に残した爪痕はあまりにも酷いものでした。また、いまも、人々を苦しめているのです。その一つは、ここかしこに埋められている地雷です。リアルタイムに今もその恐怖は完全には取り払われてはいないのです。それどころか、子供も含めて、大きな被害を被っているのです。
 
アンジーは『トゥームレイダー』の撮影からアメリカに戻ると、「カンボジアに対する想いと、地雷に対する恐れをマスコミに口にしました。
 
すると、そのアンジーの発言を知った人がアンジーにアクセスしてきました。それが原作者ルオンです。アンジーはルオンから手紙と、そして、彼女の著書『最初に父が殺された』を受け取ります。
 
アンジーはその署を読み終えるころには、いつか会えるかもしれないルオンは、アンジーにとっての憧れの人になっていたのです。
 
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2人が直接会うのに、それほどの時間は必要ありませんでした。アンジーは映画『トゥームレイダー』の撮影を終えると、すぐに行動を起こします。
 
国際難民弁務官事務所(UNHCR)に申し出て、難民各地訪問の旅に出ました。2001年から2002年にかけて、アンジーは4箇所の訪問に合計44日間を費やしたのです。そして、そのとき最初の訪問地が、アンジーにとっては2度目となるカンボジアでした。
 
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原作者ルオンは、実はベトナム退役軍人アメリカ財団(ベトナムに本拠地がありあす)で、地雷対策のスポークスマンとして働いていました。そういう経緯もあり、アンジーの「地雷に関する発言」にいち早く反応し、手紙と著書を送ったのでしょう。
 
UNCHR職員に同行してのカンボジアの再訪で、アンジーは憧れの人、ルオンに会うことができました。ルオンはバンコク経由でカンボジアに来ていたのです。
 
そして、ルオンとともに、アンジーはカンボジア各地を視察してまわります。このときに、アンジーとルオンは心を通わせ、お互いにとって、親友と呼べる大切な人になったわけです。
 
カンボジアの現状に心を痛めるアンジーとしては、実際にポルポトの虐殺のなかを生き抜いてきた親友ルオンの回想録を映画化しようと思うに至るのは、ごく自然な流れだったと思います。
 
テーマが特異であり政治的ファクターも多い、採算もとれそうもないなど、乗り越えるべき壁はたくさんあったのですが、行動の人アンジーにとって、そんなことは少しも問題ではなかったのです。
 
なお、アンジーが長男マドックスをカンボジアから養子として受け入れるの際しても、ルオンの協力があったようです。
 
これらのアンジーとルオンの親交と経緯は、アンジーの著書『思いは国境を越えて』のカンボジアの章に書かれています。また、「VANITY FAIR」のアンジー独占インタビューには、アンジーがマドックスを受け入れる際のルオンの関わりなどがコメントされています。

脚本ドラフトの完成と映画化への後押し

脚本は、アンジーと親友ルオンで共同でつくることになるのですが、アンジーは出演作や監督作などで忙殺され、また、6人の子供たちを得て育てたりもあり、実際に脚本がドラフトとして形をなすには、アンジーとルオンが出会って10年近くを要することになります。
 
で、いよよいよ始動かというとき、アンジーは監督映画『アンブロークン』の製作で、いったん『最初に父が殺された』の脚本ドラフトを脇に置くことになります。
 
そのドラフトをカンボジア出身の長男マドックスが読み、母アンジーに言ったのです。「この作品は今がやるべきときだ」と。
 
アンジーとルオンの共同は再びスタート。マドックスはドラフトを読んでのコメントをフィードバックしてくれます。それらを反映した脚本を、アンジーはNetflixに持ち込んだのです。
 
なぜ、動画配信サービスの巨人Netflixを選んだのかについては、直接的なアンジーのコメントを目にすることができませんでした。推測ですが、採算性や世界同時に発信できることなどを考慮し、有力なスポンサーと機動的な媒体の双方を備えるNetflixがアンジーにとっての正解だったのでしょう。
 
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以上のように、親友ルオンと長男マドックスがいたからこそ、脚本が完成し、Netflix持ちみに繋がったのです。

映画製作における力強い協力者たち

いざ、映画製作に突入すると、やはり心強い協力者は、親友ルオンと長男マドックスでした。
 
製作総指揮にはルオンとマドックスも名を面ね、アンジーの映画製作を支えました。実際、マドックスは当初の製作会議にも出席し、映画撮影中は、写真撮影などでまめには働いていたという報告もあります。
 

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『最初に父が殺された』のあらすじに替えて

さきに「ミニあらすじ」を書きました。重要なネタバレをしない程度に「あらすじ」のようなものを再度書きますね。項目は3つです。
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  • 最初の4分が意味するもの
  • クメール・ルージュの圧政暴挙
  • 弾圧の傷あと
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最初の4分が意味するもの

最初の4分は、映画を見るものを動機づける大きなチャンスです。つまり、そのときに何をするかが監督&製作者側の意図が色濃くでると思っています。大抵は、『起承転結』の「起」にあたる部分をインパクトを持って提示するのですが…。
 
この映画『最初に父が殺されて』そういう「起」ではありません。この映画の背景を理解するための情報を立て続けに映像と言葉で流し続けます。その主張の核は大胆にサマると…
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  • カンボジアの混乱にはアメリカの責任がある!
[/su_list] ということです。これに賛同するか、異見を言いたくなるかはわかりませんが…。もう少しかみ砕くと、アメリカによるカンボジアの空爆が、反アメリカ勢力を結集させることになり、それがポルポトの圧政・民衆弾圧に繋がるのですから。

クメール・ルージュの圧政弾圧

クメール・ルージュは一節によると当時のカンボジアの総人口の30%を死に至らしめたと言われています。
 
内戦、そして、ポルポトの圧政は、カンボジアをとことん疲弊させました。そんななかを生き延びたルオンだからこそ、世界に訴える言葉を発することができたのです。彼女がどのような苦難を抱えていくのか、それが映画の主張そのものになるのです。

弾圧の傷あと

ポルポトの弾圧は終わり、その後も、いろいろあり、アンジーが映画『トゥームレイダー』の撮影でカンボジアを訪れたことには、カンボジアの民衆に、見た目平和が訪れたように見えるのですが、実態を目の当たりにしたアンジーがショックを受けたように、内戦・圧政の傷痕はあまりにも酷いものだったのです。
 
前述したことと重複しますが。その一つは地雷処理が追いついていないということです。地雷はもともと市民を狙う意図もあり、市民が被害を受けやすいところにたくさん埋設されたのです。そして、子供を含め地雷の被害はリアルタイムで起きていたのです。
 
『父が最初に殺された』の著者ルオンは、ベトナム退役軍人アメリカ財団で地雷対処のスポークスマンをしていると書きました。この組織を含めて6つのNGOが世界の地雷処理をやっていますが、全く追いついていないのが現状です。
 
映画『父が最初に殺された』のなかにも地雷の恐ろしさが描かれています。

『最初に父が殺された』こぼれ話3題

ラストは映画『最初に父が殺された』のこぼれ話3題について書きます。
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  • すべては『トゥームレイダー』がスタート
  • UNHCRとのカンボジア視察
  • 批判的な批評について
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すべては『トゥームレイダー』がスタート

人生、何がきっかけで激変するのか、たいてい本人は気づくことがないのです。
 
映画『トゥームレイダー』のロケ地には当初カンボジアは入っていなかったのです。それが、ロケ予定地の政情不安定や予算の問題などから、ロケ地のひとつがカンボジアに変更されました。
 
もし、ロケ地が当初予定地通りで、アンジーが撮影でカンボジアを訪れることがなかったら、アンジーが突然、人道支援に目覚め、3人の孤児たちを養子に迎えることはなかったのかもしれません。
 
そう思う一方、アンジーにはそもそも人道支援に目覚める素養があり、カンボジアへ撮影に赴かなくても、いずれ人道支援に関わったかもしれないとも思うのです。
 
『トゥームレイダー』がアンジーの人生を激変させてことは間違いないのですが、それ以上に注目すべきは「思い立ったら行動が早い」アンジーの信念と行動パターンです。この信念と行動パターンは、軽く常識を乗り越えてしまうのです。この「信念と行動パターン」がなければ、今のアンジーはいなかった、それは断言できます。

UNHCRとのカンボジア視察

「信念と行動パターン」の特異性が発揮されたのが、『トゥームレイダー』の撮影でカンボジアを訪れショックを受けてからのアンジーの行動です。迷うことなく、国連難民弁務官事務所にアクセスして、『トゥームレイダー』の撮影が終わると直ぐに難民キャンプ各地をまわる旅に出るのです。それらのなかには地雷埋設など危ないところも多く、現地で寝泊まりするのも大変なところばかりです。
 
しかし、アンジーは少しの躊躇もなく出発しました。撮影を縫っての4箇所の危険地域への旅は、アンジーの本気の現れです。
 
カンボジア、エチオピア、ベトナムからそれぞれ孤児を養子にするに際しても「こうと決めたら」迷うことなく突き進みました。

批判的な批評について

さて、いよいよラストです。
 
アンジーの日頃の人道支援には批判的な意見も散見されます。セレブの気まぐれ的な理解しかない意見もあるのです。アンジーはUNHCR職員との4箇所の難民キャンプ歴訪を著書にしましたが、「あれは単なる日記にすぎない」という者もいます。
 
アンジーは2017年7月、映画『最初に父が殺された』の宣伝を目的に、「VANITY FAIR」の独占インタビューを受けました。そのなかにある事象にアンジー反対派は食いつきました。主な反対のポイントは2つ。
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  • 出演する子供たちのオーディションが非人道的
  • カンボジア軍の協力を受けたのが非人道的
[/su_list] オーディションについては、お金を使ったゲームのようなオーディションが非人道的だというのです。
 
また、カンボジアの混乱に責任のあるカンボジア宮に協力を受けたのは非人道的だというのです。
 
これについては、「VANITY FAIR」はじっくり読みましたが、批判はあたらないと私は判断しました。
 
反対のための反対です。難民キャンプの現地から遠く離れた安全なデスクで反対しているだけです。それ以上にアンジーの「信念と行動のパターン」のほうが、十分な結果を出しています。難民キャンプの諸問題を世界に浮き彫りにしているという点で..。

まとめ

アンジーの4作目の監督作品『最初に父が殺された』について紹介を書かせていただきました。
 
繰り返しますが、この作品を1行で表現するとこうなります。
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  • カンボジア弾圧の時代を生き抜いた女性の回顧録をアンジーが映画化!
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私は、この作品が2017年9月15日に世界同時配信を開始して、ほどなく視聴しました。その時点では、アンジーがこの作品を映画化するに至った背景など、ほとんど理解していなかったので、単に「悲惨な内容の映画だ」ということしか心に残りませんでした。
 
その後、アンジーの人道支援活動などを理解するに至り、映画『最初に父が殺された』を2度ほど見直しましたが、アンジーの主張〜カンボジアが置かれている現状の問題点を広く世界に発信すること〜がよく理解できました。アンジー作品のなかでも素敵な作品のひとつだと思います。
 
この映画フツーの製作していては配給会社が付きにくいという問題や、採算性など様々な問題を抱えてしまったと思います。それをNetflixという「解」を導き出したアンジーはさすがだと思います。
 
逆にNetflix側から見れば、世界のアンジーでオリジナル作品を作成できたわけで、その宣伝効果は十分にあると踏んでいるのではないでしょうか。また、今後のオリジナル作品を充実させる大きな推進力にもなったのかもしれません。
 
映画『最初に父が殺された』は、このように動画配信サービスNetflixでしか視聴はできませんが、これを契機に無料視聴などを活用して、Netflixに触れてはいかがでしょうか。
 
Netflixのような月額制動画配信サービス(SVOD)は、今後、私たちのエンタメライフの大きな柱の一つになることは間違いありません。
 
[fontsize size=”1″]※アイキャッチ画像の出典:pixabayであり、直接的に映画とは関係ありあせん。イメージです。[/fontsize]  
 
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いつもお読みいただきありがとうございます。
シネマファン♪


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