2007年公開映画『マイティ・ハート/愛と絆』の作品紹介とネタバレです。製作には当時パートナーだったブラッド・ピットも名を連ねている作品です♪
目次
『マイティ・ハート/愛と絆』の概要情報
以下、アンジェリーナ・ジョリーについては敬称なしの「アンジー」と書きます。また、ブラッド・ピットについても敬称なしの「ブラピ」と書きますね。
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最初「作品の概要情報」を記してから、「作品のネタバレ」を書きます。ネタバレを見たくない!という方は、「作品のネタバレ」の前でブラウザを閉じてくださいね♪
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作品概要
- 原 題:A Mighty Heart
- 監 督:マイケル・ウィンターボトム
- 脚 本:ジョン・オーロフ
- 原 作:マリアンヌ・パール
- 製 作:ブラッド・ピットほか
- 主 演:アンジェリーナ・ジョリー
- 共 演:ダン・ファターマン、アーチー・パンジャビほか
- 公 開 日:2007年6月22日(アメリカ)
- 上映の時間:106分
- 興行収入 :18百万ドル
- 見放題情報:Amazon、U-NEXT(記事公開日現在)
あらすじ
映画『マイティ・ハート/愛と絆』の予告篇(字幕版)はこちらです。
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ウォール・ストリート・ジャーナルの記者ダニエル・パールは、2002年1月、パキスタンで取材中にテロ組織によって誘拐されてしまいます。同じくジャーナリストである妻マリアンヌは身重にも関わらず夫救出のために動き出します。しかし事態は最悪な方向に…。
『マイティ・ハート/愛と絆』の見どころ
この映画『マイティ・ハート/愛と絆』は実話ベースの物語です。中東で夫を誘拐・殺害されてしまったジャーナリストの妻マリアンヌ・パールの手記『マイティ・ハート』が原作です。
サイト管理人「シネマファン♪」の個人的な意見ですが、原作に忠実なあまりに主張の軸が拡散しているように感じています。何に、もしくは誰を軸にして物語展開をするか。そもそも何を一番主張するか、したいのか。そういうことを明確にした作品であれば良かったのに、と思う次第です。
なので敢えて見どころを書くとすれば、自分ならこうしたかな…という視点で見るといいかもしれません。
『マイティ・ハート/愛と絆』アンジーの関わりなど
この映画『マイティ・ハート/愛と絆』は、ブラピが代表を務める「プランBエンターテインメント」が製作会社に名を連ねています。実は、この映画製作はブラピがとある本を手にしたことからスタートするのです。それが『マイティ・ハート 新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死』、つまり映画『マイティ・ハート/愛と絆』です。
しかも、当時のブラッド・ピットのパートナーであるアンジーは、この原作の著者マリアンヌとすでに知り合いでした。アンジーとマリアンヌの関係性について、アンジーの言葉を引用しますね。
初めは一緒に子供を遊ばせるだけだったの。数年前に出会ったんだけど、お互いシングルマザー同士だったから、『じゃあ、子供たちを連れてどこかに行きましょうよ』って。そういう関係から始まったし、これからもそれは変わりないわ。
この作品は、私にとって非常に重要な作品で、しかもとても大切な友人を演じるってすごく不思議な感じ。まして、彼女の最も辛い時期を世間に伝え、私も愛して止まない小さな男の子(マリアンヌの息子・アダム)が将来この作品を観るのだから。
でも、つまるところ私はこの映画をとても誇りに思うし、これが一番大事なことだけど、マリアンヌと友達になれてとても幸運だったと思っているわ
※シネマカフェ2007年11月22日記事から引用。
そして映画『マイティ・ハート/愛と絆』の撮影に入ったアンジーですが、主役マリアンヌを演じるにあたっては自身の妊娠・出産の経験がとても役にたったといいます。これも記事を引用させていただきますね。
もし妊娠の経験がなかったら、すごく大袈裟に演じてしまったり、妊婦がとらないような行動をとってしまうと思うの。妊婦である彼女がどうやってあの状況を切り抜けたかを思うと、それは想像を絶したわ。
身重であるのは大変なことで、後半の数か月はストレスを減らし、睡眠とかもたくさんとらないといけないのに。でもマリアンヌは自分を哀れんだりしない。ダニエルが二度と家に戻らないかもしれないと考えることを自分自身に許さなかったに違いないわ」。
何より、私はシャイロを出産したばかりで、特別な時期だったし、ブラッドとも特別な時期を過ごしていたから、役作りの過程でとても感情移入したの。赤ちゃんが産まれて、その子を飽きることなく眺めて、部屋の反対側にはその子の父親がいて…。そんな状況を誰かに取り上げられるとしたら、ものすごく頭に来るわ。
※シネマカフェ2007年11月22日記事から引用。
『マイティ・ハート/愛と絆』のネタバレ
以下「ネタバレ」です。なので「ネタバレ」は読みたくないという方は、ここでブラウザを閉じてください。
主な登場人物(吹替声優名はソフト版)
♀マリアンヌ・パール(主役)
- 演:アンジェリーナ・ジョリー、声:本田貴子
- 記者の夫と取材でパキスタンに滞在中で、彼女自身も記者。
- 妊娠5ヶ月の身重だが、夫失踪の現実が襲いかかります。
♂ダニエル(ダニー)・パール
- 演:ダン・ファターマン、声:木下浩之
- マリアンヌの夫で、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記者。
- パキスタンで取材中に誘拐され、殺害されてしまいます。
- 9.11から4ヶ月後のことでした…。
♀アスラ・ノマニ
- 演:アーチー・パンジャビ、声:佐古真弓
- イスラム系インド人の女性ジャーナリスト。
- WSJの記者でダニーのサブ的フォローも務める。
- マリアンヌを支え、捜索の要を担う!?
♂ランダル・ベネット
- 演:ウィル・パットン、声:仲野裕
- アメリカ領事館の外交保安問題担当官。
♂ハビブ
- 演:イルファーン・カーン、声:松山タカシ
- パキスタン警察テロ対策部門の部長。
- パキスタン側の捜査主任で親身になって捜査してくれます。
起〜夫ダニーが失踪するまで(背景説明含む)
最初のスタート2分で、背景説明がなされます。なぜなら、背景説明が一切ないと予備知識のない観客にとって訳の分からない映画になってしまうからです。
以下、最初の2分を見て聞いたものを引用しますね。引用文言は、必ずしも聞いたまま見たままではありません。
9.11の翌日、ダニーとマリアンヌはパキスタンに飛んだ。彼はウォール・ストリート・ジャーナル紙の記者。南アジア支局長。マリアンヌはフランスのラジオ局専属記者。
アフガニスタンの戦争を伝えるため各国マスコミが隣国の首都イスラマバードへ。目的はアフガニスタンの戦況取材。
10月7日、アメリカの空爆が開始された。タリバン政権軍はほどなく制圧された。戦闘の終結と共にマスコミは帰国。しかしダニーと私は留まり取材を続けた。核兵器、アルカイダ、聖戦兵士(ジハード)の訓練キャンプ、パシャワールの100万人の難民たちを取材。
トラバル山岳地帯ではビンラディンの捜索が続き、追われた反対勢力(残兵)は軍の再結成を図り、国境を越えパキスタンに逃れた。パキスタンにおいてはアメリカは「敵」。タリバンは「イスラムの兄弟」。
1月末で妊娠5ヶ月になる私はそろそろ帰国する予定だったが、ダニーには最後の取材があった。私たちはカラチへと飛んだ。世界有数の大都市。パキスタン出入国の「玄関口」。無秩序で喧噪の街、密集した人口。その実数は不明。
そのなかから1人の男を探す…。
※DVD『マイティ・ハート/愛と絆』からサイト管理人がピックアップして引用
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明日はパキスタンを離れドバイに向かうという日の夜、ダニーは取材に出かけます。ジラニ師という有力者と会うためです。
夕食には間に合うように戻ると言い残していたダニーですが、その日、ダニーは帰りませんでした。
翌日、ダニーはほぼ誘拐されたことが決定的となります。
承〜チームが結成され捜査開始もフェイク情報に翻弄!?
妊娠5ヶ月で身重のマリアンヌ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙の記者ダニーは、同じ新聞社に勤務するパキスタン在住のインド人女性記者アスラの自宅にマリアンヌと共に滞在していました。
夫の失踪にとまどうマリアンヌに寄り添うアスラ。パキスタンとインドはかなり重度の敵対関係にあり、インド人であるというだけでインド人のスパイと疑われてしまうのです。そんな状況に置かれているアスラですが、ダニー救出にあたっては、情報を分かりやすくホワイトボードにまとめ、捜査チームの共通認識を高める役を買ってでました。
さて、捜査チームですが主体はパキスタンの警察テロ対策部門CIDです。局長のハビブ(イルファーン・カーン、劇中「キャプテン」と呼称されています)がマリアンヌに配慮し寄り添う形で現地調査を陣頭指揮します。
このCIDに加えて、ウォール・ストリート・ジャーナルメンバー、パキスタンのアメリカ領事館なども主要捜索メンバーに加わります。
パキスタンのアメリカ領事館からは外交問題保安担当官ランダル・ベネット(ウィル・パットン)が最後まで責任を持ってハビブと捜査を進めました。
ダニーの失踪から数日経ち、誘拐犯からメールが届きます。その文面によるとダニーを「CIAのスパイ」「モサドのスパイ」と決めつけ、アメリカが到底受け入れることのできない無理難題の要求を出してきたのです。
アメリカの国務長官がダニーの無事願うものの要求は受け入れがたいという声明を出し、一方、CIAはダニーがCIAと無関係であるという声明を出します。
そんななか、数少ない情報から少しずつ真犯人に近づきますが、あるときダニーだと決めつけられた遺棄死体が発見され騒然となります。しかし、キャプテンやベネットたちの検分によって、それが人違いであることがわかります。
転〜ダニー誘拐の真犯人に辿り着き逮捕するも…
捜査の結果、チームはジラニ師本人の身柄を拘束しました。
尋問の結果、ダニーの失踪・誘拐にジラニ師は無関係であったことがわかりました。そもそもダニーを誘拐するということが先にあり、ジラニ師との会見はダニーを誘拐するための「撒き餌」だったのです。
そんなこんながあり、とうとう、チームはダニー誘拐の真犯人を割り出し、そして、逮捕に至ります。しかし、当の真犯人もいまダニーがどこにいるのかわからないと証言。真犯人がいうには「仲間の誰が何をしているのか知らないのが我々のやり方だ。」というのです。
ダニー失踪から約1ヶ月が経とうとしている2/21、その死が確認されます。確認したのはキャプテン、ベネット、WSJの上司たち。
誘拐犯人からダニー殺害のビデオが送られてきたからです。ダニーは首を切り落とされてしまいました。
結〜最悪な状況を迎え、気丈に振る舞うマリアンヌ
ダニーの死はすぐにマリアンヌに知らされます。気が狂ったように慟哭するマリアンヌ。
しかし、マリアンヌは後日、アスラ邸で開いた夕食会で、捜査に関わってくれたメンバーたちに心からの謝辞を伝えます。映画のなかからマリアンヌの言葉を引用しますね。
みなさんに一言お話させてください。
本当にありがとう。
全力で頑張ってくれた。
そして力を尽くしてくれて。
私のことを支えてくださった。
みなさんがどんなにダニーを取り戻したいと
思っていたかよくわかっています。
でも、私たちは負けたんじゃない。でしょ。
ダニーは死んだ。
だけど犯人たちには負けてない。
彼らの狙いはみんなの意志を挫くことよ。
違う?
でも私はくじけない。
みなさんもくじけてない。
みなさんに感謝しています。
心の底から。
ありがとう。
さあ、食べましょう!
※DVD『マイティ・ハート/愛と絆』からサイト管理人がピックアップして引用
別れのときです。マリアンヌがアスラ邸を後にするときがきました。
その後、結婚式のときの回想シーンが流れます。
場面変わって、マリアンヌはダニーの遺体が10箇所で切り分けられていたことを「過ってマリアンヌに送付された添付メール」で知ります。そして、ダニー殺害の顛末が明らかになります。彼は単に「アメリカ人」というだけで犠牲になったのです。
さらに場面が変わって、長男アダム誕生。映画のラストでは5歳くらいになったアダムの手を引きフランスの町をあるくマリアンヌの後ろ姿が。彼女は今も記者の仕事を続けています。
ラスト、捜査メンバーや犯人たち、ダニーの両親のその後が紹介され、The End。
まとめ
この記事では映画『マイティ・ハート/愛と絆』の紹介と「ネタバレ」を書きました。
DVDの特典映像で「取材で命を失う記者を救うための組織」のことが紹介されています。この映画『マイティ・ハート/愛と絆』は、エンタテインメント作品というより、そういう政治的色合いが強い作品と言えるのかもしれません。
また、そういう方向は、当時、国連難民高等弁務官事務所親善大使(現在は同特使)を務めていたアンジーの信念とニーズに合致した作品とも言えるでしょう。
そういうこともあり、『マイティ・ハート/愛と絆』はアンジーの信念をどこまで受け入れることができるかで評価が2分する作品といえそうです。
*アイキャッチ画像の出典:pixabay
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いつもお読みいただきありがとうございます。
シネマファン♪