【ネタバレ】『最愛の大地』アンジェリーナ・ジョリー初監督の想いは…

ネタバレ


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アンジェリーナ・ジョリーの初監督作品『最愛の大地』についての紹介と【ネタバレ】記事です。他人の評価に惑わされず、ぜひ、ご自分でご欄になって判断をしていただきたいと願っています。

以下、アンジェリーナ・ジョリーについては敬称なしの「アンジー」と書きます。
 

『最愛の大地』の概要情報

 
最初「作品の概要情報」を記してから、「作品のネタバレ」を書きます。ネタバレを見たくない!という方は、「作品のネタバレ」の前でブラウザを閉じてくださいね♪
 
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作品概要

 

  • 原   題:In the Land of Blood and Honey
  • 監   督:アンジェリーナ・ジョリー
  • 脚   本:アンジェリーナ・ジョリー
  • 製   作:アンジェリーナ・ジョリー、グレアム・キングほか
  • 製作総指揮:ホリー・」ゴライン=サドウスキほか
  • 主   演:ザーナ・マリアノヴィッチ
  • 共   演:ゴラン・コスティッチ、ラデ・シェルベッジアほか
  • 公 開 日:2011年12月23日(アメリカ)
  • 上映の時間:127分
  • 興行収入 :不明
  • 見放題情報:U-NEXT(記事公開日現在)
 

あらすじ

 
映画『最相の大地』の予告篇はこちらです。
 
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まず物語の背景から。
 
1991年にユーゴスラビア解体の動きがあり、翌年3月にはボスニア・ヘルツェゴビナが独立を宣言しました。当時、このボスニア・ヘルツェゴビナは430万人の人口があり、民族構成は「ムスリム人44%、セルビア人33%、クロアチア人17%、その他16%」となっていました。
 
このうち、ムスリム人とクリアチア人は独立推進派で、一方、セルビア人は分離独立を目指していました。このため「ムスリム人 vs セルビア人」の対立が深刻化し、同年4月には軍事衝突が起き、3年半にわたり厳しい戦闘が続きました。
 
戦闘ではセルビア人がムスリム人への虐殺・性的暴行を行ってきたと言われています。紛争はNATOの介入もあり1995年12月に終結に至りました。
 
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さて物語は、男女のデートからはじまります。女性アイラはムスリム人の若き画家。男性ダニエルはセルビア人の警官です。その夜、アイラとダニエルがダンスをしていたホールは、突然の爆撃で破壊され多くの死者が出ました。セルビア人の攻撃がはじまり、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が始まったのです。
 
これを機に、アイラとダニエルは敵味方となってしまいました。
 
セルビア人兵たちはアイラたちが住む家屋の住人全員を外に連れ出し、男たちは射殺、女たちは性奴隷のように働かせます。アイラも奴隷としてピックアップされてしまいました。
 
また、後日ですがアイラの姉レイラの幼子は、セルビア軍人乱入時に泣きわめいたため、軍人に高層の窓の外へと投げ捨てられ殺されてしまいます。
 
将軍を父にもつダニエルは将校となっており、連れてこられたアイラを自分の持ち物と称して囲います。しばらくはダニエルの庇護の元、無事なアイラでしたが、ダニエルの父が2人の関係性に疑念を持ち…。
 

『最愛の大地』の見どころ

 
ネットで『最愛の大地』を検索すると監督アンジーとこの作品を誹謗中傷する意見が散見されます。それもひとつの意見で尊重しなければと思っています。
 
ところで、監督アンジーの次の言葉は傾聴に値するものだと考えます。それは2013年7月29日、アンジーが来日して国連大学で行われた『最愛の大地』試写会で行った6分間のスピーチのなかの一節です。
 

私がこの映画を作ったのは紛争について理解するためでした。今も(紛争時同様に)苦しんでいる人々がいます。それまで一緒に暮らしていた友人や隣人も急に敵になり得るのです。戦争は人々を変貌させ、残虐な行為へと追い込みます。
 
多くの人がすべてを失い、あらゆるトラウマや暴力に苦しみ、国際社会にも見捨てられ、声を上げても背を向けられています。映画を通して、これらの点を追求しました。でも、ドキュメンタリーではなく芸術であり、目的は「非難すること」ではなく「理解すること」なのです。
 
人間の有様を映し出しました。人によってとらえ方は違うでしょう。自由に、ご自身の結論に至ってください。でもどう感じるにせよ、この問題を深く考えてみてください。
 
※DVD『最愛の大地』収録、特典映像から引用

 
この作品を観た私たちが、紛争・戦闘の悲惨さについて考える契機となれば、それはアンジーたち製作者やキャストの想いに合致しているのかもしれません。
 
「見どころ」というタイトル表現に自分自身違和感を持ちますが、「悲惨な状況、シーンもありのままに見る」ことがいいのかもしれません。
 

『最愛の大地』アンジーの関わりなど

 
アンジーはUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)親善大使(その後、2012年から特使)の仕事の一環として難民各地をまわるなかで、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の傷痕に心を痛めていました。とくに、紛争のなかで大規模な性暴力があったことを世に知らしめる必要を感じていました。
 
アンジーは当初は紛争で突然、恋人同士が敵味方になってしまうという状況の着想から物語を構想、脚本を書きました。そして、2010年公開の『ツーリスト』撮影終了後には、映画『最愛の大地』の製作者に名を連ねているグレアム・キングに脚本を見せています。
 
グレアム・キングは、当時脚本を読んで「内容に圧倒された」と語っています。
 
撮影に入ると、現地で登用し、実際に紛争経験者である俳優・女優たちから様々な情報を得て、脚本自体をどんどん修正していったと言います。
 
映画『最愛の大地』は、着想と制作のきっかけはアンジーですが、結果から見ると、紛争を経験してきた俳優陣・スタッフ陣みんなでつくりあげた作品と言えるのかもしれません。
 
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DVD『最愛の大地』特典映像から、アンジーのインタビューを「アンジーの関わり」の補足情報として引用させていただきます。
 

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実際に紛争を経験した人々に脚本を送ったの。色んな意見が返ってきて問題の複雑さに気づかされたわ。立ち位置次第でまったく違う意見が出る。
すべての意見に耳を傾け公平な視点を心がけたの。特定の立場に肩入れしたりせずにね。
 
最初は単に普遍的な愛の物語を描くつもりだった。家庭を築くこともできたはずの幸せな2人を紛争が引き裂くという内容よ。でも、すばらしい俳優陣から話を聞いて考えが変わった。
 
彼らの歴史や宗教、文化を学ばせてもらったわ。そういった内容をどんどん脚本に取り入れていったの。
 
絶対に現地の俳優をキャスティングしたかった。ハリウッドで採用される外国の俳優は限られてるわ。「ヨーロッパならこの俳優」みたいな感じでね。ハリウッドの外にいる才能豊かな人々の存在を無視しているのよ。特定の国の俳優以外に目を向けようとしていないの。特に大作はね。
 
だからこそ才能ある現地の俳優を採用したかった。キャストのオーディションテープを見て、想像以上の才能に驚かされたわ。みんな2カ国語以上を話し、演技力もズバ抜けてる。おまけに実際に紛争を経験した人々なのよ。
 
オーディションの一環として紛争中の経験を語ってもらうと、多くの人が涙を流してたわ。そして演技に入ると…すごいの一言よ。彼らのすばらしい才能を世界に披露することができて監督として光栄に思うわ。
 
撮影を通してスタッフ全員が歴史や人生について学んだわ。今日撮影したシーンでは1人を除いて全員が紛争の経験者なのよ。みんな現地で生まれ、逃げることもできずに、実際に紛争や食料援助を経験した人たちなの。
 
彼らほど人生や愛を謳歌している人たちは今まで見たことがないわ。紛争を経験した難民や俳優たちは、ただ生きてる喜びに満ちてる。だからこそ演技にも全力を尽くすし、何事にも一生懸命よ。一度すべてを失っているからね。そばにいるだけで、いい影響を受けるわ。
 
※DVD『最愛の大地』収納特典映像から引用

 

『最愛の大地』のネタバレ

 
以下「ネタバレ」です。なので「ネタバレ」は読みたくないという方は、ここでブラウザを閉じてください。
 

主な登場人物(吹替声優名はソフト版)

 
♀アイラ・エクメチッチ(主役)

  • 演:ザーナ・マリアノヴィッチ、声:安永亜季
  • ムスリム人の画家。
  • 紛争前、セルビア人の将校ダニエルと恋人同士でした。
 
♂ダニエル・ブコエビッチ
  • 演:ゴラン・コスティッチ、声:福田賢二
  • バリバリ民族主義の将軍の息子。
  • 紛争前、セルビア人警察官で、その後、将校となります。
 
♂ネボイシャ・ブコエビッチ
  • 演:ラデ・シェルベッジア、声:牛山茂
  • ダニエルの父、民族主義の将軍。
  • 息子がアイラを囲うことに疑念を持ちます。
 
♀レイラ
  • 演:ヴァネッサ・グロッジョ、声:根本圭子
  • アイラの姉。
  • セルビア軍に乳幼児の息子を殺されてしまいます。
 

起〜恋人同士に民族主義が襲いかかる!?

 
ムスリム人の画家アイラ(ザーナ・マリアノヴィッチ)と、セルビア人警官のダニエル(ゴラン・コスティッチ)は恋人同士。久しぶりのデートを町のホールで楽しみます。踊り明かす男女たち。
 
突然、ホールが爆撃に遭い、多数の男女が亡くなります。1992年4月1日、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争がはじまったのです。
 
後日、アイラたちが居るアパートにセルビア軍人が乱入し、全員外に出ろと命じます。外にでた住人たちのなかから男たちをピックアップし、連れて行かれた男たちのほうからは銃声が。みんな殺されたのかもしれません。一方、女たちもピックアップされ性奴隷のような扱いでセルビア軍人が集まる拠点に連れて行かれます。若いアイラもその1人になってしまいました。
 
アイラが連れて行かれたセルビア軍人の拠点には、ダニエルがいて、暴行寸前のアイラを助けます。ダニエルはバリバリ民族主義の将軍を父として持ち、いまや将校となっていたのです。
 
ダニエルは敵であるムスリム人のアイラを自分の持ち物と称して庇い、その後は、部屋に画家として囲い込みます。
 

承〜セルビア人による虐殺!

 
男はピックアップされ殺され、女もピックアップされて性奴隷目的で拠点に連れて行かれたアパート。残る住人たちのところに、またセルビア軍人が乱入し、全員、ここを立ち退けといいます。拒否する老女はその場で銃殺。アイラの姉レイラの部屋にも軍人は乱入。そのときレイラの乳幼児が泣き止まず、怒った軍人がその子を高層の窓の外に投げ捨て殺してしまいます。
 
セルビア人にとってムスリム人は殺しても構わない対象となっているのです。
 
セルビア軍人の拠点に捕まっているアイラは、1度逃走に失敗するものの2度目に成功。姉レイラたちの元へ戻ります。そこで、甥っ子が惨く殺されたことを知り、スパイとしてもう一度ダニエルの元に戻ることを決意します。
 

転〜昔はセルビア人が虐殺されていた!?

 
ダニエルの父である将軍に、とある告げ口がありました。ダニエルが敵であるムスリム人の女を画家として囲っているというのです。息子の行動に疑念を持った将軍は、アイラが囲われている部屋を訪れ、アイラに自分を描けといいます。
 
アイラが描いている最中に、将軍が小さな頃の体験を語ります。自分が5歳くらいの小さなとき、自分の村にムスリム人たちが来て、村を皆殺し状態にした。辛くも自分は助かったが家族はみんな殺されたと語ります。
 
アイラやダニエルの前の世代にも、彼らの知らない軋轢があったようです。一通り語ると、入れ替わり部下らしき男が入室し、アイラは強姦されてしまいます。
 
強姦の事実を知ったダニエルは、まずアイラに怒り狂いますが、部屋に書きかけの父の肖像があることに気づき、これが父の差し金であることを悟ります。
 
ダニエルはアイラを強姦した男を殺します。
 

結〜恋人を抹殺する双方の決意が…

 
戦況はセルビア人にとって不利な状況になってきました。セルビア人は後に大量虐殺と国際的に認定された悲惨な行為をはじめます。民間人など7000人ほどを虐殺したのです。
 
介入に躊躇していた他国もこれを機に決意し、NATO介入による空爆がはじまりました。
 
ダニエルたちは、ある教会に一時退避しました。どうもアイラはそれを知っており、スパイとして、ムスリム人同朋に「教会に一時退避していること」を告げたようなのです。
 
ダニエルのいた教会は空爆され、ほとんどは死にます。辛くも死を免れたダニエルは、拠点に戻り、「お前は情報を流したな」とアイラを殴ります。空爆された教会の近くでダニエルはアイラの姉を目撃しており、そのことで、アイラが情報を漏らしたことを確信したのです。
 
うんとアイラがうなずくと同時に…。
 
ダニエルはその後、NATO軍の元に現れ「自分は戦争犯罪を犯した」と名乗り出ます。
 

まとめ

 
この記事では映画『最愛の大地』の紹介と「ネタバレ」を書きました。
 
内容的には、なかなか辛い映画で、2度目を直ぐに見ようとする気が起きません。もうしばらくしてから、2度目を「違う視点で見てみる」つもりです。
 
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なお、『最愛に大地』については、こちらの記事もどうぞ♪
☞ 初監督映画『最愛の大地』アンジェリーナ・ジョリーの社会貢献とは!?
 
*アイキャッチ画像の出典:pixabay
 
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いつもお読みいただきありがとうございます。
シネマファン♪


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