アンジェリーナ・ジョリーの苦悩〜映画『ジーア/悲劇のスーパーモデル』

苦悩イメージ(c)pixabay


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有名女優には必ず転機となった作品があります。アンジェリーナ・ジョリーにとって映画『ジーア/悲劇のスーパーモデル』がそれではないでしょうか。この作品は彼女の生き方も変えました。

アンジェリーナ・ジョリーの苦悩

人は誰でもたくさんの苦悩を抱えています。苦悩を抱えながら生きる、それが人生かもしれません。
 
他人から見るとうらやむような環境にある人であってもそうだ…ということはアンジェリーナ・ジョリー(以下、「アンジー」と記します)がまさに体現しているのです。
 
アンジーの両親は、俳優&女優で、とくに父はアカデミー賞を受賞した有名俳優ジョン・ヴォイトです。幼少期、少女時代とアンジェリーナ・ジョリー自身は「金銭的に不自由」とは縁遠い生活をしていました。
 
また、父のアカデミー賞授賞式にしっかり着飾って出席したりとスポットライトを浴びるなど、フツーの人では味わえない体験をできた境遇でした。
 
アンジーは、周りがうらやむような環境にあったわけです。しかし…
 
アンジーもまた、たくさんの苦悩を抱えていました。もしかしたら、同年代の少女よりも大きな苦悩を抱えていたのかもしれません。
 
誤解を恐れずに断定しますが、アンジーの苦悩の原因は「幼少期のトラウマ」です。人生を左右する最大&最強の影響因子は両親です。そして、その最強因子は、無意識のまま人に「苦悩発生装置」ともいうべき心の仕組みを刻み込むのです。
 
すでに何回かここで紹介させていただいていますが、アンジーの伝記『暴かれた秘密』(アンドリュー・モートン著)は「幼少期のトラウマ」、アンジーが受けたネグレクト(育児放棄)からスタートしています。
 
少し長いですがアンジーの人生を語るには、とても大切な部分なので引用させていただきます。
 

(前略)
大勢のベビーシッターの一人だったクリサン・モレルが、三十年以上たってから話してくれた。
「今でも怒りがこみ上げてくる。子ども(アンジーのこと、サイト管理人注記)がほんとうにかわいそうだった。」
 
その部屋は「象牙の塔」と呼ばれていた。その女の子の赤ん坊を、グリム童話に登場するラプンツエル〜高い塔に閉じ込められた女の子〜と重ねて、そのようなあだ名が付けられたのだ。
 
その間、母親は、自分の娘に本を読んであげることも、ベットに寝かしつけることも、公園へ散歩に連れていくこともなかった。少しでも赤ん坊が喜ぶように、子ども部屋らしい明るい色に塗り替えようと何度も提案したところで、母親は首を縦に振ろうとしなかった。ただ与えたのは、わずかなおもちゃだけ。それも渋々ながら許したぐらいだ。
 
その赤ん坊の名は、アンジェリーナ・ジョリー。父ジョン・ヴォイトが母マルシェリーヌ・ベルトランから去ったあと、彼女はこの象牙の塔に送られた。クリサンは、マルシェリーヌに、赤ん坊にはもっと母親と過ごす時期と愛情が必要だと言ったことがあった。その時、マルシェリーヌはこう返したという。
 
[color color=”red”]アンジーを見ているとジョンを思い出してしまうの。だから、あの子のそばにはいられない。[/color]だって、あまりにも苦しすぎるから」と。
 
[fontsize size=”1″]※アンジー伝記『暴かれた秘密』のプロローグ『象牙の塔』より引用。 

 
アンジーは幼少期受けていた母親のネグレクト(育児放棄)。それは夫婦生活破綻の結果でもありました。「実父母の離婚と母親のネグレクト」という強烈な体験は、無意識に、そして容赦なく、アンジーにトラウマを刷り込んだのです。
 
アンジーがその後の人生で抱えていくすべての苦悩の発端がここにありました。

映画『ジーア』はアンジーに恐怖を刻みつけた!?

この見立てはサイト管理人「シネマファン♪」(以下、「私」と記します)だけかもしれません。
 
映画『ジーア/悲劇のスーパーモデル』は、アンジーを一躍有名女優におしあげただけでなく、アンジー自身に恐怖を刻みつけた作品でもあるのです。

映画『ジーア/悲劇のスーパーモデル』について

アンジーの初出演映画は父ジョン・ヴォイトが主演する『大狂乱』。公開時、アンジー7歳です。なんと、この作品には、すでにジョンと離婚をしていた母マルシェリーヌも出演していました。どうやら、この実の両親は、アンジーに複雑で深刻な体験ばかりさせていたのかもしれません。
 
そして、10年後、17歳の時の映画『サイボーグ2』では初主演を射止めます。しかし、この作品は映画業界人たちに「アンジーは七光り以上の実力のある女優だ」と認識させるには不十分でした。また、アンジー自身もこの作品については、次のような衝撃的な言葉を残しています。

映画を見て、三日も吐き続けたわ。
[fontsize size=”1″]※アンジー伝記『暴かれた秘密』の第5章『女優への決意』より引用[/fontsize]

 
そして、「三日間も吐き続けた」主演作品から5年後、アンジー22歳のとき出会った作品が、この記事で紹介している主演映画『ジーア/悲劇のスーパーモデル』だったのです。これは、まさにアンジーが自らの手で「親の七光り」の呪縛を解き放った作品で、世間の評判を決定づけた作品となりました。
 
のちに、アンジーと『ボーン・コレクター』でW主演したデンゼル・ワシントンの言葉を紹介させていただきますね♪

アンジェリーナ・ジョリーはこの映画(サイト管理人注『ボーン・コレクター』)で初めて劇場公開作品の主演という役を射止めた。監督のフィリップ・ノイスは既に主演として契約書にサインをしていたデンゼル・ワシントンに、「共演の女優はもう誰にするか決めてある」と言ってHBO製作・放送のTV映画『ジーア/悲劇のスーパーモデル』のテープを渡した。デンゼル・ワシントンも彼女の演技力には「驚愕した。これほど力のある女優が今まで眠っていたなんて信じられない」と語っている。
[fontsize size=”1″]※Wikipedia『ボーン・コレクター』から引用[/fontsize]

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プチ作品情報

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『ジーア/悲劇のスーパーモデル』は、1980年代にかけて活躍した実在のスーパーモデル、ジーア・キャランジの物語です。活躍の影に潜む苦悩を描いています。
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  • 原 題:GIA
  • 監 督:マイケル・クリストファー
  • 脚 本:マイケル・クリストファー、ジェイ・マキナニー
  • 主 演:アンジェリーナ・ジョリー
  • 共 演:フェイ・ダナウェイ、エリザベス・ミッチェルほか
  • 公 開:1998年1月(HBOのテレビ映画として放映)
  • 時 間:126分
  • その他:日本劇場未公開、DVD発売はあり。
  • 見 放 題;Netflix✖️、Amazon⭕️
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アカデミー賞主演女優賞にも輝いた往年の大女優、フェイ・ダナウェイと互角以上の演技をしているアンジーは素敵すぎます♪♪

あらすじ

アメリカで1980年代に活躍したスーパーモデル、ジーア(GIA)。自由奔放過ぎる17歳がモデルとしてスタートを切り、その独特な存在感からスターダムを駆けのぼります。
 
セクシーさを全面に出すモデルのジーアは、奔放に性を享受しながらも、ほどよい人間関係を築くことができないのです。関係の破綻の連続…。それは幼少期のトラウマが原因のようです。
 
華々しい仕事に追われながらも苦しみ続けるジーア。ジーアは、いつしかクスリにのめり込み、そして、ついにはHIVに感染。享年26歳でこの世を去ります。

アマゾンプライム紹介

この『ジーア/悲劇のスーパーモデル』は前述した通り、日本劇場未公開ですが、DVDは発売されています。また、すぐにこの作品を見たいという方は、この記事公開日現在、Amazonプライムビデオで作品視聴が可能です。
 
Amazonプライム会員ならば「追加料金なし」で視聴できます♪
私もこの記事を書くにあたって、もう一度、Amazonプライムビデオで見直しました。
 
う〜ん、いろいろ考えさせられる素敵な作品です。
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映画『ジーア』がアンジーに刻みつけた恐怖とは…

映画『ジーア/悲劇のスーパーモデル』をご覧頂ければ、この作品がアンジーに刻みつけた恐怖というものがお分かりいただけるのだろうと思います。しかし、まだ作品視聴をされてない方もいるわけで、少しだけ書かせていただきますね。
 
ジーアとアンジーの共通点。それは程度の差こそあれ、「幼少期のトラウマ」です。
 
ジーアは美しい母が自慢であり大好きでした。でも、そんな母との別れが突然訪れるのです。両親の別離。ジーアにとって母が遠い存在になります。ジーアがその後の人生で人間関係を上手く結べない発端は、この幼少期の強烈な体験にあったのです。
 
一方、アンジーも前述した通り、「両親の離婚と母のネグレクト」という強烈なトラウマを抱えたまま、自由奔放過ぎる10代を過ごします。同級生との同棲、クスリ、自傷行為、バイセクシュアル、モデルとしてスタートするも芽が出ず…。
 
共通項は「幼少期のトラウマ」、その結果として、世間一般の常識でいうところの「フツーの子」とは縁遠い10代を過ごしたということです。そして、それは20代になっても続きます。
 
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ところで、ジーアは自由奔放のまま17歳でモデルデビューをして、そして、早々にスターダムをのぼりつめていきます。でも、華々しい成功を手にしても、将来待っていたのは、「破滅=死」だったわけです。
 
「幼少期のトラウマ」を抱えたままでは、将来待っているのは「破滅」かもしれない。どこまで意識できているかは別にして、アンジーはジーアを演じながら、そういうことを追体験してしまったのです。
 
その体験は、「幼少期のトラウマ」に起因するからこそ、うまく口にはだ出せない、表現しにくい、でも、「幼少期のトラウマ」の恐怖を思い起こし、そして、再び心に刻み込むには十分でした。
 
アンジーが得てしまったもの、それは、破滅への恐怖、死への恐怖だったのです。
 

アンジーの人生のテーマ!?

恐怖が人に与える影響には2つの側面があります。それは「恐怖から逃げる」という側面、そして、もうひとつが「恐怖を乗り越える」という側面です。
 
つまり、恐怖を問題・課題と考えれば、人が取る行動は2つあるということです。とにかくその問題から逃げまくる。もうひとつは、その問題に真正面から対峙して、課題と捉え乗り越えようとする。
 
アンジーは、『ジーア/悲劇のスーパーモデル』以降は、どちらかというと後者を選んだのです。そして、その方向性を決定づけた作品が2001年公開の主演映画『トゥームレイダー』でした。この『トゥームレイダー』から遡ること2年、1999年公開映画『17歳のカルテ』でアンジーはアカデミー賞助演女優賞に輝きますが、彼女の人生を変えた作品としては、やはり『トゥームレイダー』です。
 
なお、映画『トゥームレイダー』については、こちらの記事もお読みいただければと思います♪
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さて、これは私の推測ですが、『ジーア/悲劇のスーパーモデル』で恐怖の追体験をしたアンジーは、ある人生の課題(テーマ)も自覚したのではと思っています。それは「家族」です。
 
アンジーの人生にとっての幼少期の「家族」は、世間一般視点でいうと破綻していました。どこまでアンジーが意識していたかは別にして、アンジーにとって「家族」は恐怖の対象であったのです。
 
そして、物事は表裏一体です。この「家族」への恐怖は、「完璧な家族」への憧れも生んだのです。
 
アンジーの伝記『暴かれた秘密』の256ページに相対するキーワードが2つ登場します。
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  • 家族の地雷原
  • 完璧な家族
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この2つは、アンジーの言葉というよりも、アンジーを観察し、分析してきた著者アンドリュー・モートンの言葉ですが、アンジーの「家族」に対する想いの2局面をよくあらわしています。
 
繰り返しますが、アンジーはまず間違いなく、「家族」に対して、2つの捉え方をしており、「家族」がアンジーの人生のテーマとなっているのです。言葉を替えると信念Beliefです。

  1. 家族の恐怖から解き放たれること
  2. 完璧な家族をつくること

 
これらのことがあり、『トゥームレイダー』後に難民から養子を迎えるという行動に結びつく、私はそう分析しています。
 
そして、もうひとつ。前述の[2]です。この「完璧な家族をつくる」という信念が必ずしもアンジー自身に良い作用ばかりがあるとは限らない。そういうことをアンジーが気づいているかどうかは定かではありません。

幼少期のトラウマについて

アンジーの「幼少期のトラウマ」を理解していただくには、「トラウマ」に関する理解が必要かもしれません。それについては、わかりやすい情報として、次の本の紹介をもって簡単な説明とさせていただきます。気になる方、もう少し詳しく知りたいという方は、Kindleでも購入できますので、必要に応じてご覧下さい。
 
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  • 『あなたの「悩み」がみるみる消える24の方法』
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実は、私自身もカウンセリング経験は豊富で、この本でこれから引用として紹介する部分は、実体験として痛感していることです。
 
それでは、この本の冒頭部分を紹介させていただきますね。
 

(前略)
私たちは誰もがみな、ビリーフ(深淵、信条)と呼ばれる思い込みを持っています。たとえば、「男(女)は、強く(優しく)あるべきだ」「子どもは親の言うことに従わなければなない」「何かができる自分には価値があるけれども、ありのままの自分には価値がない」などは、多くの人たちが持っているビリーフの例です。
(中略)
数あるビリーフのなかでも、特に、リミッティング・ビリーフ〜制限を創り出す思い込み〜と呼ばれるネガティブな思い込みが、本来は自然に行われるはずの思考や感情、行動に対して否定的に作用し、心の悩みを作り出します。
(中略)
悩みの「本当の原因である」リミッティング・ビリーフを正確に特定して取り除くことができれば、どんなに複雑な心の悩みや非常に深刻な心理的トラウマも、根本的に解消することが可能なのです。
[fontsize size=”1″]※『あなたの「悩み」がみるみる消える24の方法』の『はじめに』から一部引用[/fontsize]

 
辛い悩みを作り出す、制限を伴う信念(ビリーフ)、それの強烈なものがトラウマだとご理解していただければと思います。
 
そして、一般的に言えることとしては、トラウマから解き放たれるには、それが強烈であればあるほど、専門家の力が必要です。
 
アンジーにとっては、「家族」が人生の課題(テーマ)だと指摘させていただきました。それは見方を変えると、「アンジーのリミッティングビリーフは家族だ」とも言えるのです。そして、それらの制限を伴う信念(ビリーフ)は、アンジーの幼少期に形成されてしまったのです。
 
私は、アンジーが自らのトラウマと対峙するにあたって、どれだけ専門家の手を借りているのかについては、十分な情報を得ていません。なので、アンジーのトラウマについての言及は、ここまでとします。

まとめ

この記事では、1998公開の主演映画『ジーア/悲劇のスーパーモデル』の紹介をさせていただきました。そのなかで、この作品でアンジーが女優としての世間の評判を確立したことも合わせて紹介いたしました。
 
アンジーは映画『ジーア/悲劇のスーパーモデル』を主演として作り上げる過程で、自らの辛い人生の苦悩を追体験してしまったのです。そして、自分の未来も「見てしまった」のかもしれません。
 
いずれにしても、アンジーの人生にとっての大きな転機となった『ジーア/悲劇のスーパーモデル』は悲しくも素敵な作品です。Amazonプライムビデオを活用すれば、いますぐ作品を視聴することも可能です。
 
作品をご覧になって、あなたご自身の人生のことなど、いろいろなことを考える契機としていいただければ幸いです。
 
[fontsize size=”1″]※アイキャッチ画像の出典:pixabay[/fontsize]  
 
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いつも、読んでいただきありがとうございます。
シネマファン♪


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